すごいひと。

本日というより昨日の話。
我が家にはアップライトのピアノが一台あります。約6年間ぐらいしか使用されなかったピアノは、その年月と同じぐらいの時間を使用されずに飾ってありました。が、使用しなくとも保管にもお金がかかるもので、電気式の湿気取りはつけなきゃだし、年一回はしっかり調律されています。
…いや、個人的にはしなくても…なんですが、しないと次ぎにしようと思った時にお金がよりかかるらしいし、痛むらしいので、ね…。
私が記憶がある調律の方は女性だったんですが、久しぶりに立ちあった調律師さんはおじさんでした。なんというか、「え、このひと？」的なぐらいな容姿にギャップがあるおじさん。どう考えてもこの人とピアノが結びつきません(失礼)
で、終ったかな？と思う時間にお茶を出そうかと様子だけを見にいったらつかまりました。
「どのぐらいこのピアノを弾いてる？」
「……ここ最近はまったく。今日久しぶりに触れたぐらいです」
「どのくらいまでいった？」
「…昔過ぎて覚えてないです。もう大分昔の話なんで…」
と、ほんとーに一年ぶりぐらいに触れた私としては痛い会話でひやひやしてたんですが、そうしたら、そのおじさんが突然！
「君にいいことを教えよう。ぜひ覚えなさい！」
「…え？」
突然、ピアノの横へと連れていかれ、何事かと動揺する私を気にもせず、急にピアノを弾きだすおじさん。もう日も沈み、音が気になりだす時間にも関わらず、大音量。心の中では「ご近所迷惑ー！（泣）」の気分。
「これは全然簡単な動作だけなのに、こうするとかっこよく見えるだろう？」
と弾き終え得意満面の笑顔。そして、こんな曲にも使えるんだよ、と2曲もそのまま演奏に。…うん、カッコイイし、聞き手私だけで弾いてもらえるって感動ものだけど、ここ住宅街で夜だぜ？気づいてる？？（微笑）
最後はとうとう基本の指動作の実践練習まで行ない、調律後30分以上滞在し、おじさんは去っていきました。ちなみに、練習以降は人生におけるよいアドバイスの話がありました（笑）
ほんと、こんな濃いキャラな調律師さん初めてだ。すごっ…。
去り際の言葉「おそらくこの家は私が死ぬまで担当だと思うのでよろしくお願いします」の言葉に、来年は調律の時は外出しようと心に決めました。…忘れるなよ、自分！！（笑）